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「麒麟が来る」に見る上司と部下の関係

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NHKの大河ドラマ「麒麟が来る」を
私は毎週楽しみに見ているのですが、
いよいよクライマックス。
主人公 明智光秀の
本能寺の変へと向かう伏線が着々と張られています。

明智光秀については、あまり史実も残っておらず、
謎が多い人物として有名なので、
ドラマもかなり新たな解釈が入っていると思われますが、
私が持っていた「裏切者(優秀だったのにね・・・)」という
短絡的なイメージは覆され、
『組織人として働く者の葛藤』に強い共感を覚えています。
そして、長谷川博己さん、理知的でステキな俳優さんですね!

今日は、織田信長という上司と明智光秀という部下との関係性について、
『成人発達理論』の視点からお話したいと思います。

『成人発達理論』とは大人の意識・認識の成長を
1~5段階にモデル化したものです。
意識・認識というのは、「視野の広さ」や「器の大きさ」と言い換えると
わかりやすいと思います。
大人になっても、意識・認識は一生成長しつづけます。
成長したいという本人のニーズと気づきのきっかけがあれば。

ただ、人は生きている間に、
全員が最高位の段階5にまで行きつくわけではないですし、
(段階5の人は、成人のうち1%程度と言われています)
段階が高い方が偉いとか幸せとかということでもありません。
もちろん、IQや偏差値などとも関係がありません。

さて、信長と光秀について話を戻しますと、
個人的な付き合いがあったわけではないので、
あくまでも、ドラマ上での分析になりますが、
上司である信長は、段階2。
段階2の特徴は、利己的で周りの人を自分のための道具とみなし、
使えるかどうかという点で他者を見ます。

一方、光秀は段階4。
他者との違いを認識しながら、自分なりの価値基準を持ち、
自律的に行動できる状態です。
信長を取り巻くそれぞれの武将の状況や想い、関係性、
天下を平定した先の世の中等々・・・広い視野のもと、
上司の信長に意見具申をしていきます。
最初のうちは、「優秀な部下」として信長に重宝されていきます。

つまり、上司よりも部下の方が、発達・成熟している関係性なのです。
最初のうちは、価値観やビジョンを同じくしていた2人なので、
上司とそれを賢く補佐する部下という関係性でうまく回っていました。

しかし、信長が権力を得、独善的で残忍になっていく中で、
決定的な価値観・ビジョンの違いが明らかになってきます。
こうして、信長にとって光秀は、
「自分に歯向かう面倒な部下」となっていきます。

そして次第に光秀は、
天皇、将軍の足利義昭、徳川家康・・・多くの人達から、
信長では成し得ない期待(=過酷な課題)を
突き付けられ、抱え込むようになっていきます。
(発達段階が高い=幸せという訳ではないのです)

上司よりも部下の方が、発達・成熟している関係性は、
現代の会社でもよくある状況だと思います。

信長のような利己的で恐怖によるマネジメントを行う上司は、
段階3(従順で依存的な段階)の部下を量産します。
歯向かうと怖いから・・・。

また、上司よりも部下の方が、
発達・成熟している関係性についても全てダメではなく、
大切なのは同じ方向(価値観やビジョン)を向いているか?
という点です。

現代ならば、上司に火を放つなんて悲劇の選択肢ではなく、
共感できる志のある他社に転職するか
自分の志を実現するために起業すればいいのですが、
残念ながら、時は戦国時代。とても切ないのです。

改めて、上司(会社)と部下は、
同じ方向を向いていることが土台となって、
成果を出せる関係性を築いていけるのだと
「麒麟が来る」を見て、しみじみと感じるのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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