
「勘と経験と度胸」
非科学的で、固定観念による意思決定を揶揄した言葉。
ちょっと昭和っぽい響きですよね。
ただ、この3要素、100%悪いものではなく、
使いようだなと最近思うのです。
先日、とある企業様で2年目社員研修にうかがった際、
なんか例年と違う・・・。
これは人事部のご担当者様も同様に感じていたこと。
こちらの企業様、好きを仕事にできるところが魅力。
働く人達のこだわり、好奇心、お客様への想いで、
お客様をワクワクさせるのです。
いい意味でのオタク的な尖がりある人材が多いのが特徴。
しかし、今年はちょっと様子が違う。
言われたことはきちんとできるけど、
本人の内側から出るパワー不足な感じは否めません。
あくまでも仮説と付け加えた上で、
大学時代はずっとオンラインで、行動制限が加えられた世代。
真面目で素直なんだけど・・・。
楽しくて思いっきり頑張ったこと、
他者と力を合わせて成し遂げたこと、
失敗して悔しい思いをしたこと・・・。
そんな「経験」をあまり積めなかったことが
自分の強み、興味関心、頑張れること等への自己認識の弱さに
つながっているのではないでしょうか・・・
なんて話をしていました。
今や、問題解決や戦略策定もとりあえずは
生成AIが形にしてくれます。
ただ、現場での「経験」にもとづく問題意識や違和感が
実は本質的解決や他社との差別化の大きなカギになることも多い。
「勘と経験と度胸」
言葉だけでは説明できない直感と
現場での感情をも伴う泥臭い経験と
勇気をもって一歩踏み出す行動は
人間にしかない強みだなと思うのです。
アメリカでは、AI技術の進展の影響で
既にジュニアのエンジニアの失業が増えているそうです。
経営目線で短期的に見ると合理的な代替だと思いますが、
「経験」がなければ、シニア(熟練)のエンジニアは生まれません。
今後、ますます「経験」の価値は高まるでしょう。
長年、経験から学ぶ働きかけを通して、
チームの成長をサポートしてきました。
個人は「経験」を大切に、いかに学ぶかを考え、
学ぶ力をつけていく必要があります。
その一方で、組織は中長期的視点で、
AIを含めた適材適所を考える必要があると思われます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。