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真経営のブログ

コミュニケーション

小説8050から上下関係のコミュニケーションを考える

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最近、林真理子著「小説8050」を読みました。
8050とは50代前後のひきこもりの子供を
80代前後の親が養っている状態を指し、
ひきこもりの長期化、高齢化に関する社会問題のことです。

林真理子さんと言えば、
数年前に大河ドラマとなった「西郷どん」。
明治維新を駆け抜けた西郷隆盛を
人間味あふれ爽やかに描いていました。
当時は林さんが歴史小説というのもちょっと意外な感じはしましたが、
「小説8050」はまたまた意外な社会派小説です。
あまりにもリアルな描写にあっという間に読み終わりました。

このままでは自分も8050だという絶望感の中で、
世間と同じ偏見の目で、20歳のひきこもりの息子を見て、
早く部屋の外へ出そうと解決を急ぐ父。
解決を急げば急ぐほど状況は悪化していきます。
家庭内での父と息子、夫と妻の上下関係が
当然の世界として上からの目線で描かれていきます。

ちょっと重めの小説ですが、
職場の中でも起こり得る、
上下関係の中でのコミュニケーションの難しさが
リアルに描かれています。

上司は部下に対して、
・自分は上司だ(だから部下が言うことを聞いて当然)という
 オーラを出してしまう
・偏見(レッテル貼り)で部下を取り扱ってしまう
・部下に結論や結果を急がせ、すぐに行動を求めてしまう
ついついしてしまいがち。

たとえ上司が無意識だとしても、部下は
・自分の身を守りに入ってしまう
・上司はどうせ分かってくれないとあきらめてしまう
・まだ結論がない状態で上司に話してはいけないと決めつけてしまう
・表面的にはとりあえずやる
上司のあり方に呼応してしまうこと、よくありますね。

小説8050では、
息子の内面を理解しようと向き合い、
共に戦おうという父のあり方の変化によって、
少しずつですが、息子は再生へと歩み始めます。

職場において、1on1も広がりつつあります。
効果的なコミュニケーションのスキルを学ぶと共に
上司としての自分のあり方を内省する機会をつくることは
職場のコミュニケーションの改善にとても効果的です。
小手先のテクニックだけでは
真のコミュニケーションはうまくいかないからです。

職場のコミュニケーションについて
お困りの際はお気軽にご相談・ご質問ください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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